約 3,126,880 件
https://w.atwiki.jp/mgkr/
[このページを編集] マジクロのまとめは他にもありますが、 更新されていなかったり、欲しい情報が載っていなかったりするので作りました。 誰でも編集出来るようにしてあります。 加筆・修正については許可なくご自由にどうぞ。 マジクロ上のカルティア図鑑を一人で埋めることは難しくても 大勢の力があれば出来ると思います。 また、情報についても間違っている個所はご遠慮なく ご指摘・もしくは直接編集してください。 ぜひお力を貸してください。ご協力お願いします。 画像アップロードの方法 画像をアップしたいページを開き、 左上の黒いツールバー「編集▼」→このページにファイルをアップロード 図鑑の画像: 1.該当ページ全体の画像(9枚全部埋まっていなくてok) 2.カルティア単体のステータス画像 3.カルティア単体のスキル画像 上記3点セットをアップロードしてください。 後はこちらで編集しますが、なんとなく管理人の編集ルールがわかった方は 新規ページを作成して完成していただけると非常に助かります。 @Thirst072 からのツイート まずはこちらをご覧ください。 @wikiの基本操作 編集モード・構文一覧表 @wikiの設定・管理 分からないことは? @wiki ご利用ガイド よくある質問 @wiki更新情報 @wikiへのお問合せフォーム 等をご活用ください アットウィキモードでの編集方法 文字入力 画像入力 表組み その他にもいろいろな機能満載!! @wikiプラグイン一覧 @wikiかんたんプラグイン入力サポート バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、お問合せフォームからご連絡ください。 - -
https://w.atwiki.jp/elthing/pages/65.html
不思議な幻想郷クロニクル とは 2012年夏コミにてサークル「AQUASTYLE」より販売された 東方の二次創作・ローグライクゲーム。 同人作品ながらも今人気の「佐藤聡美」や「日笠陽子」などの 豪華声優が声あてを担当している他、 ムービーや主題曲など演出面も良く作りこまれている。 ゲームシステム面に関しても市販ゲーム顔負けの高クオリティながら 2400円という低価格帯で通販サイトからの購入が可能。 東方の二次創作ということでアイテムテキストなど、随所にコネタが仕込まれている。 体験版では30Fまで遊ぶことができ、 これだけでも数時間~数週間は楽しむことができる。 体験版から製品版へのデータ引き継ぎも可能なため、 一先ず体験版をプレイし、興味が出たら購入を考えてみてはいかがだろうか。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4547.html
戻る マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ 3章 (34)ガリアの地下牢 ほぼ毎日、眠りにつけば夢を見る。 繰り返し、繰り返し、同じ夢。 子供のような無邪気な顔をした、父の仇。 悪鬼のような形相で自分を人殺しと罵る、従姉妹。 二つの顔が闇の中で浮んでは消える。 そして叫ぶ、貴様は咎人、許されぬ罪人。 苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ、終わりなき苦しみに喘げ大罪人。 死者と生者とがタバサを責め立て続ける。 償え償え償え償え、終わりなき償いに狂え大罪人。 正直、気が、狂いそうになる。 しかし一方では、それを冷静に受け入れる自分がいる。 だからこそ、タバサは思う…… 牽制のエア・ハンマーを前方に叩き付けるも手応えは無し。 けれどタバサは止まらず壁を蹴って、三角飛びに宙へと跳ねる。 そして杖を持たぬ右手を伸ばして、天井からロープで吊られていた照明器具を掴むと、ブランコの要領で一度、二度と反動をつけてから、前方へと飛んだ。 当然、その間に次なる呪文の詠唱に入ることも忘れはしない。 滞空一瞬、右手前方から響く、何かが砕かれる破砕音。 注意をそちらに向けると、タバサの着地点付近にあった椅子が、何かに巻き込まれるようにして、破片を撒き散らしながら粉砕されたところだった。 「ウインド・ブレイク……ッ!」 空気の槌を放ってから唱えておいた呪文を、着地寸前、そのタイミングで発動させる。 荒れ狂い吹き荒れる瀑風、解き放たれたのは、タバサの背後。 同じ年頃の娘よりも大分小柄なタバサの体が、背後から背を押す形で吹き付けた魔法の風に煽られて、小枝のように宙を舞う。 直後である、タバサが降り立つはずだったそこが、三つ傷に裂けたのは。 ここはガリアの国王が住まう居城『グラントロワ』 その奥まったところにある一部屋、何十人ものシェフが一同に集まって腕を振るうことを考えて設計された大きな厨房。 本来ならこの夜更け、静まりかえっているはずのそこで、タバサは例の『幽霊』と死闘を繰り広げていた。 銀色に鈍く光る料理台、何本もの瓶が置かれているその端に、タバサは膝を曲げて、両足揃えに着地する。 そしてそのまま勢いを殺しきれず、ぐるんと前方へ一回転。すぐさま膝のバネでもって立ち上がると、今度は前に向かって全速力で駆け出した。 タバサの走る料理台、その長さ十五メイル、だがその長さが果てしなく遠い、そして長い! 背後からは追跡者の音。 地面だけではなくテーブルの上、付け加えるなら鉄板の上であってもお構いなしである。 また口の中の呪文は結実していない、これでは牽制は間に合わない。 とっさ、先ほど転がった際に右手でくすねておいた小瓶を反射的に足元にたたきつける。 音を立てて瓶が砕け、中身の液体が飛び散った。 もどかしい、何もかもがもどかしい。 勢いを殺さず背後を振り返るのも、叩きつけた右手を懐にやるのも、懐から小ぶりのナイフ一つ取り出すのも、それを天井に向かって投げつけるのも、全部が全部、もどかしい。 しかし、焦れそうになる自分を制して達成した一連の行動は、果たしてぎりぎりの境界で間に合った。 タバサの頭上、高さ二メイルの位置で魔法によって照明用に小さく燃えていた石、ナイフはそれを盛っていた皿に狙い違わず命中した。 こぼれて落ちる青く燃える石、それがテーブルへと落ちた途端、 周囲が青く燃え上がった。 闇に慣れた目を目映いばかりの光に焼かれながら、タバサは間一髪で既にその場から飛び退いた。 そして右手で光を遮りながら、火中に目を凝らす。 そこでは、目に見えない何かが、火に巻かれて悶えていた。 「ウインディ・アイシクル!」 タバサは調理台の上から素早く飛び降りると、背筋が凍るような悪寒に襲われながらも、口中で唱えていた呪文を流れるようにして解き放った。 ウインディ・アイシクル。氷の矢。 それは風の系統を二つと水の系統を組み合わせることで発動する、彼女が得意とするスクウェア・スペル。 空気中の水蒸気を凍らせて、矢にして飛ばすという攻撃的な呪文である。 放たれる矢の数は術者の力量にも左右されるが、タバサの力を持ってすればその数は何十にも及ぶ。 それら氷矢の雨とも言うべき猛威が、燃えさかる炎に向かって猛然と放たれた。 振り下ろされた荒れ狂う巨獣の如き暴虐の力でもって、たちまち調理台は削られ、砕かれ、破壊される。 だがそれでも氷弾は勢いを止めない。 タバサは氷の矢によって『幽霊』が吹き飛ばされたと考えられた方角に向かって、続けざまに氷矢の打ちっ放しにする。 その手には、先ほどまでとは違う、確かな手応え。 確かにこの敵は姿が見えない、だが、攻撃が通じない訳ではないという確信。 自分の直感を信じて、タバサは精神の疲弊も省みず、続けざまに次の呪文の詠唱に入った。 「ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ハガラース」 このチャンスを、逃すわけにはいかない。 そして 「アイス・ジャベリン……」 掲げた杖の周囲には、巨大な氷の槍が四本発生していた。 「………ッ!」 一旦力を溜めるようにして杖を引くと、タバサは裂帛の気合いとともに杖を振り下ろし、氷槍を、全力でもってつるべ打ちにした。 カラガラと、調理場の壁の一角が崩れ落ちる。 無理もない。全力のアイス・ジャベリン四本、たとえ頑健なオーガであろうとも一本で十分なところを続けざまに四本。 そんなものを食らわせられたとあっては、いくら重たい煉瓦を積み上げられた壁であっても一溜まりもない。 ――仕留めた。 そう思った途端、緊張に強ばった体が弛緩した。 全力全開、精神力の疲労も考慮せずに放った連続攻撃。これで倒せないはずがない、そう考えてタバサは小さな胸をなで下ろす。 そして気がついた、膝がかすかに笑っていることに。 『幽霊』らしきもの。それと戦うことは、タバサが思っていた以上に、強いストレスを精神と肉体に与えていたようだった。 タバサはふらつく体を調理台のまだ無事の部分に手をついて支え、ついで近くにあった背のない円椅子に腰を下ろそうとした。 だが、油断は時に、大きな口を開けて罠という形で我々を襲う。 緊張を解いた耳に届いた、ジャリジャリという砂を噛んだような音。 忘れるはずもない、自分を狙う、狩猟者の音。 気がついたときにはもう遅い、死の爪はすぐそばまで近づいていた。 加えて体勢も事態の悪さを後押しする。タバサは、座ろうとして体勢を崩した今そのときを狙われていた。これでは重心を移動させようがない。 避け難い一撃が、身に迫る。 しかし、タバサとて死線を越えた数は、両手の指を足しても足らないほど。 そしてこのときも、彼女はギリギリで的確な選択を取っていた。 杖を、捨てる。 彼女は左手で握っていた魔法行使のための媒体である杖を、こともなげに放り投げたのである。 続けてその細い足に力を込めて、持ちうる全力でもって床を蹴った。 その力によって、腰が落ちると同時、バランスを崩して後ろへと倒れ込む椅子/タバサ。 これからしようとしていることに要求されるのは、腕の力、即ち腕力、それに脚力、バランス、タイミング。 タバサは杖を離して自由になった両手を、上体を反らして崩れつつある体勢のまま後ろ手に床に付けた。 そしてそのまま全身のバネを動員し、体を垂直方向、上に持っていく。 気持ちが良いほどに背筋をピンと伸ばした、美しい姿で両足を揃えて天へと伸ばす。 彼女の取った姿勢、つまりそれは倒立、逆立ちである。 学院の制服のまま、逆立ち。 そんなことをすれば、スカートの下に包まれた純白の三角形――つまりパンツだが――が露わになるのは自明の理。 ぺろんと垂れ下がったスカートから穢れを知らない清潔な白が惜しげもなく晒される。 裾のフリルと中央にあしらわれた小さなリボンがかわいらしいデザインの、どちらかというと子供っぽさが残る布面積が広いものである。 そしてそこからしなやかに伸びている両太ももは、細いながらも女性的な丸みを見る者に感じさせなくもない。 あるいは、そういった体の固さと柔らかさ、そのアンバランスさが未成熟な魅力そのものであろう。 無論、彼女とて好きでこんな姿を晒した訳ではない。 それは直後に、倒立した彼女の頭部、十サント弱の距離を爪痕が引き裂いて行ったことからも明白である。 十サント弱、こう表現すると離れた距離のように感じる。 しかし、目前に死が駆け抜けていく距離としては、あまりに近い、あまりに危うい。 またその距離は、これまでの戦いの縮図のようでもある。 タバサはこれまで、何度もこういった極小の差で攻撃をやり過ごしている。 それはもう、タバサの側にちょっとしたミス、ちょっとした想定外が起これば、致命傷を避けきれなくなるということの示唆でもあった。 曲芸的回避を成功させると同時に、タバサはすぐさまその場に体を丸めて足を床につけると、直立の姿勢に戻る。 だが、その頃には爪痕は既に角度を変えてタバサの方へと引き返してきているのが見えた。 その動きは先ほどまでに比べれば多少敏捷性に陰りが見られる。しかしそれでも人間が見てから避けるにはギリギリの早さである。 目線をそらして、先ほど自分が投げ捨てた杖を追う。 凡そ三メイル先の床の上、様々なものや破片が散らばっている中に、それはあった。 思ったよりも力が入ってしまったのか、杖はタバサが考えていた以上に遠くに転がってしまっている。 しかも咄嗟の判断だったとはいえ、投げ捨てる方向が悪かった。 もしも杖を取りに向かったならば、確実にその前に『爪』と接触することになる。そういう位置関係だった。 正直、今の状態でまた先ほどのようなことを繰り返すのは、タバサとしても御免こうむりたいところである。 杖、それは魔法の媒体、貴族の証、魔法使いにとっての生命線。 だが今は諦めるしかない。何よりも自分の命を優先させなければならない。 タバサは、生き残るためには今何をしなければならないかを考える。 まずしなければならないこと、それはこの窮地からの脱出。 広い調理場、それでいて出入り口は一つ。 ここは確かに誘い込んで戦うには悪くない環境である。回避して逃げ回るだけの空間も確保しつつ、見えない敵の逃亡を許さない。 しかし、逆にして考えれば、その利点は敵にしても同じこと。 一つしかない出入り口とタバサの位置関係は、今は『爪』を挟んで向こう側になってしまっている。 これではやはり敵との接触なくして、外へと脱出することはできない。 追い詰めたつもりが追い詰められていた、笑えない話である。 ガラガラ と、何かが崩れる音がした。 タバサは反射的にそちらに一瞥をくれる。 戦闘中、しかも危機的状況、普段ならばそんな時に一瞬とはいえよそ見をするタバサではない。 しかしこの時は連続する危機的状況や不利な環境に動揺していたのかもしれない。 だが、そのことが、今回に限っては彼女に活路を見いださせた。 「……――ッ!」 音、それは先ほどタバサの魔法によって崩れた壁が、更なる崩壊を引き起こした音だった。 けれど、重要なのは音ではない、その背後に見えたものだった。 分厚い壁の向こうにあったもの、それは空洞であった。 空洞、しかも穴の左右にもその空洞は続いているようだった。 ―――隠し通路 その虚ろの正体に思い当たった瞬間、タバサは駆けだしていた。 王宮の隠し通路。 そんなものは所詮、噂好きの口に上る与太話に過ぎないと思っていた。 事実、タバサが以前手に入れた王宮の見取り図には、そんなものは記載されていなかった。 だが―― 「………本当に、あった」 ガリア王国の王宮、グラントロワに限っては本当だったようだ。 しかも、おざなりな作りの非常時の避難経路などというものではない、かなりしっかりした作りの通路である。 高さ二メイル、幅一メイル五十の煉瓦造り、それが時には登り、時には下り、延々と続いている。 流石に明かりまでは灯されていなかったが、タバサが手に持ったタクト型の小さな杖の先には魔法の明かりが灯されており、周囲を確認できる程度の光量を確保していた。 杖が使えなくなったときのための応急処置、予備の杖である。 高度な駆け引きや集中力が必要な戦闘時に使用するのは全く持って自殺行為だが、こうして戦いの外で使う分には支障はない。 幸い、この通路に入ってから『幽霊』はその姿を見せていない。(元々見える訳でもないのだが) 呪文による攻撃で手傷を負わせることに成功していたのか、それとも別の理由があるのか。 どちらにせよ、行き先も分からない、今どこを歩いているかも分からない、そんな状況でも『幽霊』に追い回されるよりはずっと良い、タバサはそう思うことにしていた。 これまでのこと、これからのこと、考えをまとめながら歩いていたタバサが、足を止めた。 前方にあるのは石作りの壁、つまり、この道はそこで行き止まりなのであった。 それまで長々と続いてきた道が、そこで突然に途切れいているのである。 タバサは訝しみ、手に持っていた発光する杖を壁行き止まりに近づけて、その表面を手でなぞりながら観察した。 そしてさわり続けて暫く、ある一カ所で、かすかな窪みを感じ取った。 まるですり減ったかのように、うっすらとくぼんでいる一角。 その付近に光を当てて観察してみると、その周囲に小さな隙間があることを発見した。 いや、これは割れ目ではない、何かの仕掛けを動作させるスイッチである。 タバサが全体重をかけて窪みの部分を押すと、行き止まりだと思っていた石壁が、重たい音を立てながら左へとスライドしていった。 そしてその先には、深淵へと降りていく階段が、誘うようにその口を開いていた。 一見して奈落へと続いていくかのように思えた階段。 しかし実際に降りてみると、階段は螺旋状になっているだけで、ほんの数分下った程度で、その底をタバサに見せていた。 底にはまた石の扉。 しかし、先ほどのものとは様子が違う。石には鉄で引き手が取り付けられていた。 ここまで来た者には隠す必要もないということだろうか。 タバサは先ほど同様、体重をかけてその扉を横に引いた。 そうして苦労して扉を開いたタバサを迎えたのは、魔法による光だった。 最低限の光量、本を読むほどには十分ではない光、人間を生かすために最低限といった程度の光である。 次に異臭がタバサを出迎える。何かを腐らせたような、そして腐ったまま放置して、そこから更に風化するまで放っておいたような、そんな匂い。 流れ出した空気は、湿り気が一回りして水になってまた空気中に溶け込むことを繰り返しているような、濁り淀んだ粘つくもの。 ――カタコンブ。 のぞき込んで、最初にタバサが抱いた感想である。 ただし、そこは厳密には墓地ではない。 弱々しいが、決して先を見通せないほどではない魔法の光、照らし出されて見えるのは、左右にいくつも連なる鉄格子。 地下牢、それがこの場所の正体。 しかも、以前タバサが投獄された、正規の地下牢ではない。 城の見取り図にも記載されていない、一部の者しか存在を知らぬ秘密の地下牢。 公に出来ぬ者や永久に閉じ込めておかねばならぬ者、はたまた両方か、そこはそういった者たちを生かしておく為の場所であった。 十分ではない光を補うために杖を掲げ、小さな足音を立てながらタバサはその中を歩き始めた。 手前から順に左右の格子の中を確認していく。 ほとんどの牢は無人だったが、中には元々死体だったであろうものや遺留品が残されているものもある。 そう言う意味では、そこは正しく地下墓地でもあった。 そして、その音が聞こえたのは、八つほどの牢を確認し終わった頃であった。 「――、 ――、」 最初は聞き取れないほど小さな音だった。 だが、よく耳を澄ませば分かる。 それは人の息づかい。 「また来たか、……愚鈍なる女王よ。お前は無能にして恥知らずであったあの蒙昧なる父親と何ら変わらない」 声が響いたのは、タバサがそのことに気づいたのとほぼ同時であった。 「許さぬ……許さぬぞ。たとえ始祖がお許しになろうとも、この私はお前を絶対に許さぬぞ」 奥から響く、男の声。 その声色には怒り、絶望、失意、恨み、憎しみなどの負の感情がこれでもかと詰め込まれているようである。 「王座とは、貴様のような者が座って良い場所ではない……貴様の父は簒奪者であったが、貴様はそれよりなお劣る」 タバサはどんどんと、牢の奥へと進んでいく。 それに比例して、聞こえる声も、より一層はっきりとしたものになっていく。 どうやら声の主は、一番奥まったところに繋がれているようだった。 「真に王位に就かれるべきは……就かれるべきは、シャルロット様であった。それを、それを貴様が……っ!」 その名が告げられたのは、タバサが男の囚われた牢の前に来たときだった。 突如として飛び出した自分の名前に、タバサは顔色は変えずとも内心で驚いた。 だが、驚いたのは相手にしても同じこと。タバサの姿を見た男は、先ほどまでの剣幕はどこへやら、呆然とした顔つきでタバサを見つめた。 そして、わなわなと口を震わせ、絞り出すようにして声を漏らした。 「ま、まさか……」 投獄されてから、それなりに日が経っているのだろう。男の服は薄汚れ、髭は伸ばし放題になっていた。 けれど、その服や顔立ちには見覚えがある。 男が着ているのは制服、しかもガリア王室を守る騎士であることの証である花壇騎士の制服だった。 加えて、うっすらと記憶にあるその顔、タバサは確かに何度かその男を見ているはずだった。 「シャルロット様!? 貴女様はシャルロット様ではございませんか!? わたくしです、カステルモールです!」 「明けぬ夜など無い」彼女は私にそう言った。 ――――バッソ・カステルモール「氷の姉妹」 戻る マジシャン ザ ルイズ 進む
https://w.atwiki.jp/yugio/pages/39.html
マジシャン・オブ・ブラックカオス 儀式モンスター 星8/闇属性/魔法使い族/攻2800/守2600 「[[カオス-黒魔術の儀式]]」により降臨。 カオス マジシャン 儀式モンスター 闇属性 魔法使い族 同名カード マジシャン・オブ・ブラックカオス(DM3) 関連カード トゥーン・ブラック・マジシャン・ガール(OCG) ブラック・マジシャン・ガール(OCG) カオス-黒魔術の儀式 カオス-黒魔術の儀式(OCG) カオス-黒魔術の儀式(DM4) 滅びの呪文-デス・アルテマ(OCG) 神々の黄昏(アニメ)
https://w.atwiki.jp/maidc/pages/108.html
マジシャン、或いは、魔術師。 HP 攻撃力 防御力 運気 EXP 特殊攻撃 アイテム 結晶 211 57 30 20 444 分身 瞬間移動 氷結文様 自爆文様 VT+3 666 207 55 20 498 分身 瞬間移動 歩加骨 金の骨 VT+3 唯一、攻撃すると分裂することのある異形。 タロットカードの形をしている。 戻る
https://w.atwiki.jp/yaranaioheroine/pages/615.html
[ざいんふらう] 登場作品:川上稔 「終わりのクロニクル」 ○ 【R-18】やらない夫は冒険者養成校で夢を見るようです(完) ←サイコ(ポポ缶) サに戻る 坂田銀時→
https://w.atwiki.jp/dmps_fun/pages/996.html
PREV:お師匠様とデュエマ 中編 NEXT:第7話 前編 ストーリー ……うぅ…… マジシャン ミリア あ、これは【プレイヤー】さんこんにちは… マジシャン ミリア 実は…その、ほら… マジシャン ミリア 最近お師匠様が今になってデュエマにハマったって話、したじゃないですか マジシャン ミリア それで、徹底的に相手をしてあげていたんですが…なんか怒らせちゃったみたいで マジシャン ミリア しばらく屋敷に入るな、と先日出禁になっちゃいまして… マジシャン ミリア お師匠様ってあまり外を出歩かない人でもあるので… マジシャン ミリア ある意味これって師弟関係解消なんじゃないかなって… マジシャン ミリア うぅううぅ~… マジシャン ミリア でも…嘆いていても仕方ないですよね マジシャン ミリア 何をするにしても落ち込んでるだけでは何も始まりません マジシャン ミリア というわけで、デュエル、お願いします! マジシャン ミリア まず今できること、したい事をしようかと思いまして! マジシャン ミリア それが、【プレイヤー】さんとのデュエルじゃないかなと!是非、お願いいたします! マジシャン ミリア 勝利時 うぅ!負けちゃいました!! マジシャン ミリア …やっぱりデュエルの最中に余計な事を考えたせい…ですね、今のは… マジシャン ミリア あぁ、これからどうしよう… マジシャン ミリア ミリアさん、こんなところに メイド チロル チロルさん?どうしたんですか……? マジシャン ミリア ご主人様からお呼び出しです メイド チロル え!?で、でも私出禁だって… マジシャン ミリア 本日をもって解除となります メイド チロル え!?どうしてですか!? マジシャン ミリア ご主人様の最高のデッキが完成したからです メイド チロル !? マジシャン ミリア 多額の資金、そして私が相談役となって昼夜を問わず考えた結果… メイド チロル 最高のデッキがついに完成した…というわけです メイド チロル それって… マジシャン ミリア はい、出禁だったのはそれを作っている間に内容を知られないためです メイド チロル そ、それじゃ!? マジシャン ミリア ご主人様がお屋敷でお待ちです今すぐ、お向かいください メイド チロル は、はい! マジシャン ミリア あ、【プレイヤー】さんお相手ありがとうございました! マジシャン ミリア 私、行ってきます! マジシャン ミリア 敗北時 あぁ…重苦しかった胸がスゥ~ッとしました マジシャン ミリア 楽しいデュエル、ありがとうございました マジシャン ミリア これからどうなるかわかりませんが今後ともよろしくお願いしますね マジシャン ミリア PREV:お師匠様とデュエマ 中編 NEXT:第7話 前編
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/38467.html
時空の覚醒者 クロニクル SR 火/水/光/闇/自然文明 (4) サイキック・クリーチャー:スターノイド/シー・ハッカー/オリジナル 9999 ■呪文の効果でこのクリーチャーをバトルゾーンに出すとき、代わりに超次元ゾーンにある好きなカードを一枚、コストを支払ったものとして使用してもよい。(但し、カードは覚醒前、龍解前の物を使う。また、ドラグハートウェポンはドラグナーが居なければ使うことができない) ■自分の名前に《超次元》とある呪文が唱えられない効果をすべて無視する。 ■このカードは破壊されない。 ■W・ブレイカー (ゲーム開始時、サイキック・クリーチャーは山札に含めず、自分の超次元ゾーンに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、そこに戻す) 表面《超獣次元拡張法則》 作者:餅キング このカードを出すとき、代わりに他のカードを出すことができるというお得なカード。自身はバトルゾーンを離れず、超次元呪文を使い放題にするという優秀カード。しかし、一度出したら最後、滅多に超次元には戻らないため、ご利用は計画的に。 企画 【企画】新たな掟!ルールプラス大集合! 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/dmps_fun/pages/994.html
PREV:大脱出ショー 後編 NEXT:お師匠様とデュエマ 中編 ストーリー あ、【プレイヤー】さん マジシャン ミリア あ、ちょっと、何で足早に行っちゃおうとするんですか! マジシャン ミリア 待って、待ってください! マジシャン ミリア もー、なんでそんなにすぐ行っちゃおうとするんですかぁ マジシャン ミリア …今日は別に手品に付き合って欲しいとかそういうのじゃないんですよ? マジシャン ミリア …………………… マジシャン ミリア …そりゃあれだけ皆さんから拒否られれば、嫌がられている自覚はちょっとありますけども… マジシャン ミリア とにかく今日は手品じゃないんです マジシャン ミリア いや、でも…手品といえば手品かな? マジシャン ミリア あっ待って待って!立ち去ろうとしないでください! マジシャン ミリア …実は…お師匠様が…その…最近手品を教えてくれないんです マジシャン ミリア …何だかデュエマを今になって始めたとかで、忙しいそうで… マジシャン ミリア いえ、それはとてもいい事だと思いますし、 マジシャン ミリア 私も最初お相手したりしたんですが…最近はめっきりそれも… マジシャン ミリア ルールを覚えたばかりの師匠をこてんぱんにやっつけちゃったせいかもなんですが… マジシャン ミリア なので最近は手品もデュエマも全然師匠は相手してくれなくて少し欲求不満というか… マジシャン ミリア ……………… マジシャン ミリア あ、デュエル、してくれます? マジシャン ミリア 勝利時 うーん負けちゃいましたー! マジシャン ミリア でもアレですね負けるのも久しぶりでちょっと楽しい感じがします! マジシャン ミリア …やっぱり勝敗がいつも同じなのってしんどいですよね マジシャン ミリア かといってわざと負けるのも違うし… マジシャン ミリア うーん、始めたばかりの人とデュエルってどうするのが正解なんでしょう マジシャン ミリア しかも相手が目上の場合…難しいですね マジシャン ミリア 敗北時 あーやっぱりデュエルって気持ちがいいものですよね! マジシャン ミリア 師匠も早く強くなってくれないかなー マジシャン ミリア PREV:大脱出ショー 後編 NEXT:お師匠様とデュエマ 中編
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2404.html
戻る マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ (20)プレインズウォーカーの狂気 それは黒い染み。 純白の世界に産み落とされた、汚らわしき黒の蜃気楼。 汚染と侵略とを等しくする邪悪。 「……ふん、くだらん、実に陳腐だ。失望したぞコルベール。お前は二十年の間に錆び付いて、俺の求めた温度ではなくなってしまったか」 倒れ伏せる男に向かってメンヌヴィルが吐き捨てる。 防御もままならぬまま、炎の射線へと己が身を躍らせた道化に対して、メンヌヴィルは既に興味を失っていた。 「興が殺がれた。コルベール、その命暫く預けておいてやる。次会うときは腑抜けた面構えをなおしておけ」 背を向けて、堂々と舞台から退場するメンヌヴィル。 扉が開かれ死神が去った艦橋、その場に五体無事で残されたのはルイズとモンモランシー、ギーシュの学院生徒達三人だけであった。 「モンモランシー!早く治癒を、早くっ!」 「嫌っ!嫌よっ!」 「ミスタ・コルベールは私達を助けるために身を挺して庇ってくれたのよっ!」 「だって、だって……わぁぁぁん!!」 ルイズの胸に飛び込んで大声で泣き出したモンモランシー。 突然の戦場、唐突な襲撃、そして目の前で仰向けに倒れているミスタ・コルベール。 ほんの少し前まで、戦いなどとは縁遠い学院で平和を享受していたモンモランシー。 大多数の貴族の令嬢がそうであるように、蝶よ花よと愛され育てられたモンモランシー。 そんな彼女にとって、ここ一時間に起こったことは何もかもが遠い世界の絵空事のようで、自分がどのような状況に置かれているかを本当に理解していなかった。 目の前に死の影が迫るまでは…… どうすればいいか分からず、背中を両手でそっと抱くルイズ。 だがそれも一瞬のこと、すぐさまモンモランシーの肩を掴んで引き離した。 「しっかりしなさいっ!モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ!」 顔を涙に濡らし、体を震わせているモンモランシーの目を、正面からしっかりと見据えるルイズ。 「見なさい!ミスタ・コルベールを!私達を救うために戦った人を!」 そしてモンモランシーの恐れ、その核心を突く。 モンモランシーの脳裏にフラッシュバックする、温度を失った顔をしたコルベール。 「この姿を見てもあんたは、ミスタ・コルベールがあいつと同じだって言うのっ!?」 モンモランシーの中に芽生えた原始的な『火』への恐怖、それを察知しながらもルイズは言う、打ち勝てと。 「で、でも……」 「皆戦ってる。ミスタ・ウルザ、ミスタ・コルベール、オールド・オスマン、タバサ、ギーシュも。あなたはあなたの戦いをしなさい、モンモランシー」 突き放すように言いながら、モンモランシーをいたわる色を滲ませるルイズ。 モンモランシーは顔をくしゃくしゃに歪めながら、治癒のルーンを呟き始めた。 「私じゃ応急処置しかできないわ……トライアングルか、それ以上の水魔法のメイジに早く治癒してもらわないと」 「そう……、聞いたわねギーシュ!すぐに王都に向かってちょうだい」 モンモランシーの治癒を受けても目を覚まさないコルベールの頭に手を置いてルイズの言葉。 だが、、、 「ルイズ、申し訳ないのだけれど、その前にまた問題発生のようだよ。最初に言っておくけど、僕はどっちが王都か分からない。次に、どうやらこのまま進むと敵のど真ん中みたいだ」 「……え?」 呆けた声を出したルイズは前方、硝子越しに月明かりに照らされた風景を見た。 いつの間にやら、船の周囲をうるさく飛びまわっていた屍竜達が消えていた、これはいい。 問題は、夜空を更に黒く染め上げる無数の影であった。 「……参ったのう、これは」 よっこらしょと、甲板に腰を下ろすオールド・オスマン。 その姿は汚れくたびれ、手傷も一箇所や二箇所では済まない。 中でも両足に負った火傷は見るからに酷く、座ったのが休むためだけではないことが窺える。 「きゅいきゅい!」 その横に降り立つタバサとシルフィードの主従。 こちらも似たり寄ったり、満身創痍といった格好である。 「どうかね、ミス・タバサ。あれはどうにかできそうかね」 「無理」 「困ったのぅ」 ウェザーライトⅡの前方に広がる無数な影。 それは王都を強襲すべく動員されたアルビオンの大艦隊。 旗艦レキシントン号を中心に編成された、ハルケギニア最大の航空戦力である。 船の数は五十隻以上、周辺を飛び回っている飛竜に至ってはどれだけの数がいるのか見当もつかない。 その背後に控えるのは、巨大な深淵からゆっくりと這い出してくる浮遊大陸アルビオン。 アルビオンの無敵艦隊がこの空域まで進軍しているという事実。 それはトリステイン王国王都トリスタニアが、既に喉元に短剣を突きつけられチェックメイトを言い渡されたということであった。 「あんな大艦隊、どうしろって言うんだ」 こちらは単騎。その上頼みの使い魔は意識を失ったまま、船の操作に詳しかったコルベールも重態。 素人であるルイズが考えても、勝ち目など無いことは容易に想像がついた。 かといって―― 「今から王都に引き返しても、すぐさまに王都が攻撃を受けるわね」 元々魔法学院とトリスタニアはフネならば短時間で結ぶことのできる距離である。 現在地が分からないながらも、そういった事情を加味すると、アルビオン艦隊の位置は王都と目と鼻の先と考えて間違い無いだろう。 このままでは王都の住人達、そして学院から王都へと避難した人々が戦火に巻き込まれるのは明白であった。 「ちょっと行ってくるわ」 「行くって…まさか外に出るつもりなのかい?何のために!?」 腰を痛めたまま、席から立つことが出来ないギーシュが首だけを動かしてルイズに聞いた。 「私は私の戦いをするために」 「ば、馬鹿なことを言っちゃいけない!とりあえず舵を切って今は何処か遠くへ逃げるから、君も何かに掴まっていたまえ」 「いいえ、このままよ。真っ直ぐに」 「このままって……」 ギーシュは改めてルイズを見やった。 桃色がかったブロンドの長髪、挑発的な鳶色の瞳。女性的な柔らかさと未成熟なしなやかさを併せ持つ、若木のような体。 その顔は真っ直ぐに正面の大艦隊を見据えつつも、諦めも絶望も浮かべてはいない。 ゼロの蔑まれようとも、決して卑屈な態度をとったことの無い不遜な少女、教室で時折見せた自信に満ちた顔の少女がそこにはいた。 そしてギーシュは、そんな彼女の中に誇り高い『偉大なる貴族』を見た。 「……駄目だと思ったら、僕の判断で引き返すからね」 「ありがとう」 「さて、言ってみたはいいけど、どうしようかしらね、ホント」 ルイズの勝機、それは自身の中に眠る『伝説』、虚無の力である。 以前アルビオンで暴走したあの力、あれをもう一度引き出すことができれば目の前の大艦隊を打ち滅ぼすことも可能かも知れない。 だが、再びあれを再現できるのか、ルイズの中で疑問は尽きない。 唯一つ確実なのは、できなければトリステインに明日は無いということである。 「おーい、ミス・ヴァリエール!」 甲板の端、そこには座り込むオールド・オスマンと、その傍らに立つタバサの姿があった。 「二人とも無事で何よりです」 「ほっほっほ、老兵は死なずなんとやらじゃよ」 「……」 気がかりであった二人の健在な姿を見て、ルイズも思わず顔を綻ばせる。 「して……ミス・ヴァリエールは何用でこんな所に来たのかな?」 オールド・オスマンが好々爺とした表情に鋭い目つきを含ませて、ルイズの手の中に『始祖の祈祷書』があることを確認して言った。 ルイズはちらりとタバサを見た後、なにごともなかったように切り出した。 「私の『虚無』で、敵を打ち払います」 タバサが一瞬息を呑むのを感じながら、ルイズはそのまま続ける。 「今ここで食い止めなければ、王都トリスタニアはすぐさま敵の攻撃に晒されてしまいます。そうなったら沢山の人が犠牲になります。だから……私が本当に『伝説』であるならば、ここで立ち向かわなければならないと思います」 「……君は学生じゃ。戦争などという馬鹿げたことは、軍人に任せておけばいいのじゃよ」 「違います、オールド・オスマン。私は学生である前に、一人の貴族です」 きっぱりと言い切る教え子に、オスマンは悲しみと哀れみを込めた言葉で応える。 「しかし、君の魔法はミスタ・ウルザから使ってはいけないと、止められていたはずではなかったかね」 そう、ルイズは使い魔ウルザから、以前ニューカッスル城で虚無の暴走を引き起こして以来、使ってはならないときつく戒められているのである。 曰く「虚無の魔法は術者への反動が大きく、未熟な術者が行使すれば、肉体への影響は避けられない」と。 だが、それでも、 「それでも、やります」 前方から迫る無数の敵艦と竜騎士。 それらに立ち向かう形で、マントをなびかせたルイズが立つ。手の中には開かれた『始祖の祈祷書』。 「どれ、もうひと踏ん張りいくかの」 「あなたを、守る」 ルーンの詠唱を始めようとするルイズの前、女王を守る近衛のようにオスマンとタバサが左右で杖を構えた。 頼もしい二人の背中に、詠唱を中断し声をかけようとするルイズ。 しかしそれも一瞬のこと、再び詠唱を再開する。 信頼に言葉はいらない。 ただ信じることこそ、万の言葉よりも意味を持つのだ。 ――エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ 古代のルーンを唱え、自分の中にある力のうねりを感じる。 神経を研ぎ澄まし、細心の注意を払いながらそれを制御していく。 一切の雑音は排除され、彼女の耳には届かない。 ――オス・スーヌ・ウリュ・ル・ラド だが、突如としてルイズの世界にノイズが走った。 『やはり君は素晴らしい。僕の小さな小さなルイズ』 ルイズの詠唱が止まる。 まるで心臓を掴まれたかのように、呼吸が、鼓動が、リズムが止まる。 その声を聴いた瞬間、それまでの集中が嘘のようにかき乱されていく。 制御されつつあった力は再び混沌へと回帰した。 オスマンとタバサが一歩前に進み、声の主を警戒する。 『おっと。レディの前に顔も出さずに声だけなんて、僕としたことが余りに不躾だったね』 放たれた二つ目の言葉。呼応するように、三人の前方の空間が水面に雫を落としたかのように波をうって歪む。 そこから這い出すように現れる、ヒトの右半身。 『これで僕が誰だか分かってくれたかな。僕のフィアンセ、愛しい愛しいルイズ」 続いて現れる左半身。 全身を現出させ、その姿を露にした者。全身を白く染め上げた魔法衛士隊の制服に身を包んだジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。 宙に浮かんだ白いワルド。 それを見たルイズの目が見開かれる。 確かにタバサからワルドが生きていたことは聞いていた。 だが、これは、まるで、ワルドの姿をした別の何かのようではないか。 確かにその姿、表情、仕草、それらは目の前の男がワルドであることを示唆している。 けれど、何かが違う。 まるで歯車を違えた機械時計が、全く別のものになってしまったかのような違和感。 再びルイズの前に現れたワルドは、そういったものを撒き散らす魔人と成り果てていた。 「アイス・ストーム……!」 初撃から最大魔法による迎撃。 サン・マロンの『実験農場』、そこでワルドの力を垣間見たタバサに敵への過小評価はありはしない。 氷雪の二つ名の由来、細かな氷の粒を巻き込んだ強烈な暴風がワルドを襲う。 だが…… 「ウインド・ブレイク」 ワルドが呟いた風の低位スペル。 その瀑布が放たれた瞬間、渾身の力を込めたタバサの風は吹き散らされその力を失っていた。 「どうだい?僕の新しい力は」 三人は幽霊でも見たかのように、口を開いて宙を見た。 今ワルドが放った呪文の力も勿論驚愕に値する。 だが、それ以上に彼らを驚かせたのは宙に浮きながら呪文を唱え、あまつさえワルドの手の中に杖が無かったということである。 そのどちらもが、系統魔法にはあり得ない行為であった。 「僕は力を手に入れた。以前の僕は確かに君とつり合わない取るに足らない存在だったかも知れない。けれど……今の僕なら君に十分相応しいはずだ」 ワルドが右手を振る。 突如発生した空気の槌にタバサは全身を打ち据えられ、子供に投げ飛ばされたぬいぐるみの様に、一度、二度と甲板を撥ねて転がった。 「さあ、迎えに来たよ。僕の花嫁ルイズ、ああ、愛しい愛しいルイズ」 ワルドが左手を振る。 無数に現れた風の槍にオスマンの全身が貫かれ、血飛沫を撒き散らしながら吹き飛ばされる。 邪魔者を排除して、ゆっくりと滑るようにルイズへと近づいてくるワルド。 「これで僕達二人きりだ、僕の小さなルイズ。君は昔からこういったロマンチックな舞台が好きだったからね」 既にルイズの呪文の詠唱は完全に中断している。 否、ワルドが現れてからのルイズは、バジリスクの目を見てしまった犠牲者の如く固まってしまっていた。 「あな……あなたはっ」 「僕が死んでしまったと思っていたのかい?すまない、すまないルイズ!本当は手紙の一つも送るべきだったのかもしれない。けれど僕も忙しい身でね、伝えるのが遅くなってしまったよ!」 違う、全く違う。 自分の知るワルドは、ただ自分を道具として必要としただけの男。こんな狂熱に浮かされた目で自分を見ることはなかった。 目の前の男は……ワルドじゃない! 「ふふふ、聞いておくれルイズ。僕は今、この世界を開放する為に戦っているんだ。アルビオン、ガリア、ゲルマニアは既に僕の手の中にある。トリステインもすぐに手に入れてみせる。 そうしたら次はロマリアの腰抜け達だ。彼らが終わったら次はいよいよ砂漠だ!そう、エルフだよ!エルフ達から聖地を奪還するんだ!」 大きく手を振り体を動かして語るワルドの独演会。 ルイズ一人に聞かせるための狂想曲は、高らかにヒートアップしていく。 「ハルケギニアの悲願!始祖ブリミルが降り立った始まりの地!それが聖地!君はそこに何があると思う?そこにはね、扉だ、扉があるんだよ。僕達を外へ出て行けないようにしている扉があるんだ!僕はその扉を開け放ち、ハルケギニアを開放する!」 「そんな……エルフ達に、勝てるわけ、ないじゃない……」 「それは思い込み、思い込みなんだよルイズ!エルフ達は絶対の存在じゃない、彼らを上回る力を持ってすれば打倒するのはたやすい!何より僕は一人じゃないんだ!君だ、君がいる!僕の愛おしいルイズ!それだけじゃない!」 ワルドが左手を差し出して、握っていた手を開き、そこにあるものをルイズに見せた。 ルイズが視線を移した手のひらの上、そこには時折光を発する黒い球体があった。 否、良く見れば分かる、それはただの球体ではない。生き物の質感を持つ材質で作られた、機械の眼球。 「盟友たる彼が与えてくれた眼が、僕に無限の知識を与えてくれる!これと君の力があれば、ロマリアも!エルフも!始祖も!何も恐れる必要なんてない!」 ルイズはワルドの手のひらから、ゆっくりと視線を上に移動させる。 そこには触れ合うほどに近づいたぎらぎらと異様に光る二つの眼、そして猛毒の笑み。 「ああ、君が欲しい!ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール!」 プレインズウォーカーの正気の度合いを計るのは難しい。 ―――ウルザ 戻る マジシャン ザ ルイズ 進む